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40代で白内障手術のお話③

40代で白内障手術(片眼だけ。もう片眼は白内障なし。)のお話、本日は手術当日。
眼科へ行くのは13時です。

自宅での準備

朝食後に最後の抗菌目薬をさします。

11時からは15分おきに散瞳の目薬を点眼。どんどん眩しくチカチカになっていく。
昼食は11時半までに軽くとります。

そして出かける準備を。
お化粧しない。化粧水乳液もしない。
前開きの服を着る。ピアスなどの装飾品しない。
爪を切る。
帰りにかけて帰ってくるはずの、メガネをかける。

・・・そうそう。
筆者は自宅から歩いて行ける眼科を選びました。
手術日も、翌日の診察もそれ以降も、全て徒歩です。
(術後の自分の状態を考えると、この選択で良かったなと思います。
もちろん、常に車で送り迎え・付き添いをしてくださるご家族がいらっしゃる方は、筆者のケースにはあてはまりません)

手術直前

まず、間違いがないようにと右目に印をつけられ、散瞳の目薬をさされつつ、いろんな検査を。
最後の医師の診察で、
「『後囊』に石灰化したものがこびりついていて、今日の手術では除去しない判断をするかもしれない。その場合は、後でレーザーでとるので大丈夫ですよ。とりあえず、手術を始めてみて、ダメそうだったらその場でお伝えします。」と、言われます。

「石灰化していると、手術に時間がかかるし、痛いらしい」
というどこかで見たネット情報が頭に浮かんできて、怖さが増します。

さて、本日の手術患者は全部で5名。筆者の順番は一番最後。
待合室でひたすら時間が来るのを待ちます。

順番が来ると、服の上から手術着を着て、頭にヘアネットをかぶされ、バッグ類は鍵付きロッカーに入れられてその鍵を首からさげます。
そして麻酔の目薬開始。
点滴はありませんでした。
カーテンで仕切られた試着室のような空間で待っていると、前の人の手術の様子が丸聞こえ。
おそらく、水晶体の濁りを除去しているときに機会が発するのであろうトランペットの試し吹きに似た、音楽とも音合わせとも言えないような調子っぱずれの音が響いています。

私もああなるのかああああああって滅入りながらそれを聞きます。

そして手術

手術用の椅子に腰掛けると、まず乱視の角度を測るとのことで、目に装置がグッと入りました。
「麻酔がきいてるから大丈夫ですよー」と。
乱視、うまくいくかな、ほんとお願いします皆々様。

その後、歯医者の椅子のように背もたれが下がっていき、もう何も考えられなくなりました。
「目の消毒をしますよー。しみるかもしれないけど、麻酔はきいてるから心配しないでね」
の、後、
「シートで目だけ出しますねー」
と、右目だけ露出するようなシートがかぶされ、
「目を開けておくための準備をしますよー」
と、まつげをテープで固定、目には強制的に開けておく装置がつけられました。

この時、閉所恐怖症、というか。
怖い気持ちが最高潮になりました。
目、閉じられないし、動けない。

「じゃあ今からこの状態で、7分くらいかな。何かあったら、動いたり喋らないで、左手の指を上げてね。」
と、医師に言われて始まったものの、濁った水晶体の掻き出しが始まった時点で、衝撃。

「痛い!」と小さく喋ってしまった瞬間、「麻酔!」みたいな感じで、どんどん麻酔が足されていきました。
胃の内視鏡検査や、大腸内視鏡検査とも違う、鋭い痛みでも鈍痛でもない痛みがずっと続き、体がこわばります。

先が円錐状になった電動ヤスリで、ガリガリ・グリグリと、眼球の粘膜を攻撃されている感じ。。。

と、ここで医師より、「あ、大丈夫!全部とれそう!安心して!」
ということで何分かかってるのかわからないけど、「次はレンズを固定していきますね。順調だから、大丈夫だよ!」
と、言われたものの。
「目の力、抜いて!すごい力が入ってる!」と何度も言われてしまい、医師は何度か作業をやり直さねばならなかったようで、まわりのスタッフさん達総出で「リラックスしてーーーー!息を吸って、吐いてーーー。」みたいな、お産みたいなことが始まりました。。

レンズをはめこんでいた途中で、途中でどわわっと気泡が入ってきて視界が小さなシャボン玉いっぱいになったりもしました。

「目の力を抜く」って、どうやったら、抜けるんでしょうwww。

7分以上かかったのだろうけど、無事に手術は終わりました。
最後に痛み止めの注射もなかった。
まつげを固定していたテープは予告なく、目隠しシートと共にべりっ!と剥がされびっくりしたけど、反応できる余裕もなし。

透明なプラスチック眼帯を右目につけられ、その後は歩いて休息ルームへ移動します。
歩いたけど、目はほぼ「薄目」より細い状態でしか開けていないので、スタッフさんに付き添われてよろよろ歩きます。
マッサージチェアのようなゆったりした椅子で15分、じっと休んだら即、着替えて医師の診察。

手術終了直後から、両目ともに眩しくて痛くて、右目から涙が流れ落ち続け、十分に目を開けることができませんでした。

視界は通常時の1割くらいでした。

次の来院は翌日の朝と午後、2回に分けてです。

薬をもらって帰宅

へっぴり腰以上のへっぴり腰で歩いて近くの薬局へ寄りますが、蛍光灯が眩しくてもう無理。
薬局もクリニックの中にある眼科が良かった。。。

付き添ってくれていた我が家の主が説明を聞いて支払いまでやってくれ、冬の午後4時の薄闇の中、手を引かれて10分歩いて帰宅。
視界がほぼゼロだったので、すごく怖くて、長い帰路でした。
一人だったら絶対無理。
タクシーを使ったとしても、一人は無理でした。
一人では生きていけない(T_T)

YouTubeで、「今日手術を受けて帰ってきましたー!」なんて言って、眼帯付きのお顔のまま動画撮影をされてる方が結構いらしたけれど、そんなの無理。考えられない。画面も、録画ボタンも、見えない。
70代の母も手術直後、「見えすぎて感動。」と言っていたけれど。。。
想像以上に、すごく、悪い。
視界はほぼ闇の中、光を察知すると閃光、です。

帰宅後、すぐにパジャマに着替え、ただひたすらじっと、痛みに耐えながら寝ました。
横向きには寝られず、ただただ天井を向いて。

とにかく、全ての光が、痛い。
目の奥がずきん、ずしん、とする痛み。
トイレに行くにも、トイレの照明はつけられなかったです。

薬を飲まねばならぬので、間接照明のみの暗闇の中、主が作ってくれた夕食を。
目の前に皿を置いてもらい、何の物体かわからないままフォークでぶっさして食べるしかありませんでした。
薬を飲むときも、錠剤を出してもらい、水の入ったコップを掌にのせてもらい。
それくらい介助が必要な状況でした。

そしてひたすらひたすら寝ます。寝るしかない。

翌朝へ続く。

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